【お勧めしません】転職活動中に現職を退職するリスクとメリット

目次

はじめに

転職活動中、「今すぐ仕事を辞めて、転職活動に専念したい!」と考える方もいるかもしれません。しかし、現職を退職することには、それなりのリスクが伴います。収入が途絶えるだけでなく、心理的なプレッシャーも大きくなります。活動を早く終えられれば良いのですが、思いのほか時間がかかってしまうと、金銭面でも心理面でも追い込まれてしまいかねません。

この記事では、転職活動中に現職を退職することのメリットとデメリットを具体的に解説し、なぜ「お勧めしない」と考えるのかを詳しくご説明します。

現職を退職することのメリット

現職を退職した上で、転職活動をする場合のメリットとしては、下記のようなものがあります。

  • 転職活動に集中できる: 
    現職の業務に縛られることなく、転職活動に専念できます。時間もエネルギーも、転職活動に全集中できることは大きなメリットです。

  • 転職活動期間を短縮できる可能性: 
    集中して積極的に活動(書類作成、応募、面接対策、面接)を行うことができますし、面接等のスケジュールも組みやすくなりますので、沢山応募できて、沢山の面接もこなせます。その結果、内定獲得、転職先決定までのスピードが上がる可能性があります。

  • 体力的、精神的な負担が軽減される: 
    現職と転職活動の両立は心身共に負担が大きいです。退職して活動に集中することで、時間的な余裕を持ち、体力的な負担をかけず、かつ心理的なストレスも軽減できます。

現職を退職することのデメリット

一方で、現職を退職することにはデメリットも多々あります。

  • 収入が途絶える: 
    当然ながら現職からの収入が途絶えます。充分な貯えがある人や、活動中にご家族やパートナーに金銭面で頼れる人でないと、経済的な不安が生じてしまいかねません。

  • 焦って決断してしまう可能性: 
    活動期間が長引くと、経済的なプレッシャーから正しい判断ができず、焦ってしまって、自分の価値観や希望条件に合わない企業を選択してしまうリスクがあります。

  • 離職期間が長くなり、再就職が難しくなる可能性: 
    長期間離職の状態が続くと、企業からの印象が悪くなり、再就職が困難になることもありえます。

  • 失業保険の受給に時間がかかる: 
    ハローワークにて失業保険の受給手続きが必要になりますし、自己都合退職の場合、受給開始までは一般に2~3か月の時間がかかります。

  • 社会とのつながりが希薄になる: 
    特に独り暮らしの方は要注意です。職場から離れると、仕事を通じて得られる人、社会とのつながりがかなり薄くなります。職場以外に人と接する機会が多い方は問題ないでしょうが、そうでない方は孤独感を感じる可能性があります。

なぜ「お勧めしない」のか?

転職活動は、焦らずじっくりと自分のキャリアについて考え、最適な企業を見つけることが大切です。しかし現職を退職してしまい、かつ思いのほか活動が長引いてしまうと、経済的な不安や心理的プレッシャーから、焦ってしまいがちです。その結果、正常な判断、決断ができず、自分の価値観や希望条件に合わない職場を選択してしまい、あとあと後悔する、また転職活動をしないと、なんていうことになりかねません。

私自身、先に離職して、少し休んでコンディションを整えてから転職活動に集中した経験があるため、離職してから転職活動に集中することについて、全否定はしません。例えば、現職がいわゆるブラック企業で、心身の健康が保てないような酷い環境の場合、一刻も早く離職した方がよいです。他にも、地方在住の方が東京、大阪のような遠隔地への就職をしたいというような場合は、在職したままだと面接等の時間調整が難しくなりますので、まず離職してから転職活動に専念することは、合理的です。他にも人生をトータルで考えた場合、一度休んでリフレッシュする、というのも良い選択かもしれません。

しかし先が見えない、言い方を変えれば次に給与がもらえるのがいつになるかわからない中で、貯金が減り続ける状態が続くことは、実家住まいだったりパートナーに経済的に頼れる方でない限り、かなり精神的にシンドいでしょう。私もシンドくなりました。書類選考がなかなか通らない、面接まで行ってもそこで落とされるというようなことが続くと、自己肯定感が下がって、シンプルにヘコみます。これは在職中に転職活動をしていても起こりえることですが、離職している状態だと更に、本当に辛いです💦 これも私自身、経験済みです。

特に以下のような方は、転職活動前に現職を退職するのは避けるべきです。

  • 貯蓄があまりない方: 
    少なくとも生活費を数ヶ月間は確保できる程度の貯蓄がない場合は、離職してから転職活動することはお勧めできません。無収入の状態が続くと、当然ながら生活が困難になっていきます。失業保険が入るのは離職後にハローワークで手続きをしてから数か月後と、時間がかかりますし、失業保険がもらえる期間にも限りがあります。(この期間がどれだけになるかは、離職前に雇用保険に加入していた期間によって変わってきます)
  • 転職活動の経験が少ない方: 
    転職活動の経験が少ない方は、履歴書や職務経歴書といった書類作成に時間がかかる、面接にも慣れていないことで、思うように選考が進まず、その結果、内定獲得までに時間がかかる可能性があります。
  • 特定の業界・職種にこだわりがある方: 
    そもそも求人の絶対数が少ない、特定の業界や職種での転職を希望する場合、長引いてしまう可能性が高まります。単純に応募できる求人数にも限界がありますし、面接まで行く機会も多くはないためです。

現職を続けながら転職活動を進めるメリット

現職を続けながら転職活動を行うメリットは下記のようなものがあります。

  • 収入が安定している: 
    生活の安定を保ちながら、転職活動を進めることができます。経済的に不安がないことは、心身のコンディションを保つ上で非常に重要です。

  • 焦らずじっくりと転職活動ができる: 
    経済的なプレッシャーを感じずに、じっくりと企業選びをすることができます。焦って判断を誤るリスクを小さくできます。

  • 現職で得た経験をアピールできる:
     現職で得た経験をアピールすることで、転職活動がスムーズに進みやすくなります。

  • 応募先企業、面接官からの評価」:
    採用担当の立場からすると、在職しながら転職先を探している方の方が、次の先を決める前に離職した方より安心がある、というのは偽らざる本音です。明確な、誰もが納得するような理由がある方なら問題ないのですが、そうでない方の場合、「この人は計画性がないのかな?」とか、「ひょっとして健康状態に問題があったのかな?」と、ちょっと懐疑的になってしまうのです。そして面接時、離職中の人、それも離職期間が長い人は、在職中の方と比較すると、焦りが表情や仕草に出てしまうことが多いです。面接官にガッツいる印象を与えることは、あまり好ましくありません。

まとめ

転職活動中に現職を退職することは、メリットとデメリットの両面があります。個人的な経験からも、経済的な安定を保ちながら、じっくりと転職活動を進めることをおすすめします。現在は応募もwebで簡単にできたり、一次面接はweb面接が可というように、かつてよりは時間を使わず、効率的に活動できる時代ですので、在職しながらでも転職活動はしやすくなっています。

もし、現職を退職することを検討している場合は、以下の点についてよく考えてみましょう。

  • 貯蓄はどのくらいあるか?(少なくとも数か月間は収入が途絶えても大丈夫な金額が必要です)
  • 転職活動にどれくらいの期間を費やせるか?
  • 自分は転職して何を得たいのか? 希望する年収や条件は何か?
  • 転職活動中のサポート体制はあるか?

転職エージェントに相談するのも一つの手です。専門家のアドバイスを受けることで、より良い転職活動を進めることができます。

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