はじめに
人事担当歴17年目、自身も複数回の転職経験のある、人コーです。
かつて、「転職は35歳まで」という35歳転職限界説ということが言われていました。
これは、新卒入社した会社で、定年まで勤め上げる終身雇用・年功序列の仕組みが中心だった時代の名残りです。つまり、35歳を過ぎたら、もう今の会社以外でやっていくのは難しい、別の会社に移って違う文化や仕事のやり方に合わせるのは厳しいと考えられていた訳です。
しかし、近年では終身雇用制度が崩壊し、転職市場も大きく変化しているため、
35歳転職限界説はもはや過去の話となっています。
人コーも40代で複数回転職しておりますし、採用担当として40代以上の方もたくさん採用してきました。
その私からすると、「35歳転職限界説? 20年も前の話をしてるの?」という感覚です(笑)。
転職市場の変化
近年、転職市場では以下の変化が起こっています。
1.人手不足
少子高齢化による労働力人口減少により、多くの企業で人手不足が深刻化しています。
営業でも、経理でも、総務でも、なんでもよいのですが、
「これ!」というプロフェッショナルなスキルを持つ方は、年齢に関係なく需要があります。
2.グローバル化
企業のグローバル化に伴い、海外に居住した経験や、語学力を持つ人材、外国人と共に仕事をした経験のある人材が求められる傾向が強まっています。
3.IT技術の発展
IT技術の発展により、新しい職種や働き方が生まれています。システムやアプリを導入したり、それを使いこなしたりと、時代の流れに上手く乗れている方は、年齢に関係なく需要が高いです。
4.多様性が求められる社会への対応
かつては中途採用をほとんどしていなかった大企業であっても、現在は中途採用を積極的に行っているところが増えています。
新卒で入社し、自社のカルチャーしか知らない社員ばかりだと、似たような社員(俗に金太郎飴なんていうこともあります)ばかりになってしまいがちです。
変化が激しい現在においては、多様性を持つことも重要です。そのため、あえて他社で経験を積んだ社員を入れて、社内の活性化を図る意図があります。
これらの変化により、企業は年齢よりもスキルや経験を重視するようになっています。
そのため、35歳を超えていても、必要なスキルや経験があれば転職することは十分可能です。
40代、50代以上の転職成功事例
近年では、40代、50代以上で転職を成功させている人が増えています。
以下、私が見聞きした事例をいくつかご紹介します。
40代男性:大手メーカーからベンチャー企業へ転職
前職では営業職として15年以上勤務していましたが、新しいことに挑戦したいと思い、ベンチャー企業へ転職しました。
ベンチャー企業では、これまで培ってきた経験を活かし、新規事業の立ち上げに携わっています。
自分より若い20~30代の社員が多いため、会社からは若手の見本となるとともに、アドバイザー的な立ち位置で若手の育成も意識して欲しいと言われていています。
前職に大きな不満があったわけではありませんので、続ける選択肢もありました。しかし転職したことで、新しい環境で、新しい役割を担うことになり、日々大きなやりがいを感じて仕事をさせてもらっています。
50代女性:専業主婦からIT企業へ転職
子育てが一段落したのを機に、IT企業へ転職しました。
前職では事務職の経験のみで、PCのスキルも普通というか、業務上必要な操作はできるという程度で、当然プログラミングは知識も経験もありませんでした。再就職にあたり、いろいろ調べる中で、プログラミングは需要が高い分野と聞いて、試しにまずは独学でやってみました。その結果、プログラミングは苦にならない、自分に向いていることが分かりました。その後、数か月スクールにも通ってプログラミングを学んだところで、現職には時短勤務のパート社員として入社し、現在は正社員となってWebデザインの仕事をしています。
今でもプログラマーとしては特にスキルが高い方ではないのですが、ものすごく高度なスキルはなくとも、顧客対応や営業活動、チームでの仕事の進め方等、プログラミング以外の社会人経験を積んでいけば、十分役に立つことができることもわかりました。
お給料もそれなりにいただけるので、チャレンジしてよかったと思っています。
40代、50代以上が転職活動を行う際のポイント
40代、50代以上の方が転職活動を行う際には、以下の点に注意する必要があります。
自分の強みや経験を明確にする
これまでのキャリアの中で培ってきたスキルや経験を棚卸しし、
自分の強みや経験を明確にしましょう。
ターゲット企業を絞り込む
自分の強みや経験を活かせる企業を絞り込み、重点的にアプローチしましょう。
応募数もそれなりに必要、積極的に応募しましょう
とはいえ、年齢が高いことが全く不利にならないかと言われると、残念ながらそうではありません。
採用する企業側からすると、仮に実力が同じ程度なら、より長く活躍してもらえる可能性が高い、若い人を優先することは多いです。
例えば、経理課長経験者の募集に対し、40代と50代と人が申し込んできた場合、やはり40代の方を優先する企業が多いでしょう。
このように年齢が不利になることもありますので、ある程度は年齢を理由に落ちることも想定し、複数の会社に応募することをお勧めします。
ぶっちゃけ、落ちて元々、ぐらいの気持ちで、良さげな求人にはどんどん申し込んでよいと思います。
熱意を伝える
年齢に関係なく、転職活動においては、熱意を持って企業にアピールすることが重要です。
転職先企業や、そこでの仕事、どういう貢献ができるか(したいか)、という熱意を伝えましょう。
まとめ
繰り返しになりますが、35歳転職限界説は、もはや過去の話です。
人手不足や、その他、昔と様々な環境が変わっている現在、40代、50代以上の方でも、スキルや経験があれば、転職することができます。
もし、今の仕事にやりがいを感じていない、お給料をもっと上げられるかも、キャリアアップしたいと考えている方は、ぜひ転職活動に挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事では、転職市場の変化、40代、50代以上の転職成功事例、40代、50代以上が転職活動を行う際のポイントなどを紹介しました。
転職活動は、誰でも成功できるわけではありません。
年齢が不利になることも、残念ながらあります。
しかし、諦めずに努力を続ければ、必ず希望の道は見つかります!
行動を起こすことで、未来への道を拓けます!
40代、50代以上の方でも、ぜひチャレンジしてみてください!
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